彼らは400年前に建てられた石造りの民家に現在でも快適に住んでいますが、どの家も綺麗に整理が行き届いていて、民家に対する誇りと愛着を感じました。民家一つ一つはすごくデザインが優れているわけではないのですが、その愛着と誇りから来る町全体の風景というものを強く感じました。
良い風景は建物のデザインから出ているのではなく、人の愛着と誇りが作るものだ。私はイタリアでその点に感動して、主に住まいの建築家になろうと決意を新たにいたしました。
私は建築家として、お住まいの方から滲み出てくるような生活の風景と豊かな時間をご提案したい、そして一つ一つの家族のかたちを実現して一人でも多くの方に快適に暮らしていただきたい、常にそう願っております。
田邉 淳司